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2026/02/20 16:25
こんにちは!PERSIAN TAGの杉森です。今回のテーマは、イランの工芸品「ガラムカール」。日本では「ペルシア更紗」とも呼ばれることも。
私個人的にも、イランの数ある文化の中でもガラムカールは特に好きな要素のひとつです。
本記事では、そんなガラムカールの魅力を少しでも皆さまにお伝えできればと思います。
ガラムカールとは?
ガラムカール(ペルシア更紗)とは、コットン生地に木版で伝統的なパターンをプリントしたファブリック。
現在もイスファハーンを中心に多くの工房があり、イラン全土で愛されている伝統工芸品です。

ガラムカールの起源と歴史
歴史をたどると、ガラムカールの起源はサーサーン朝(3〜7世紀)まで遡ります。
当時の製法は今とは異なり、布に筆で直接デザインを施すというものでした。
「ガラムカール(قلمکاری・ガラムカーリー)」という名前を見ても、「ガラム」はペンや筆、「カール」は仕事(work)という意味で、直訳すると「ペンワーク」といったニュアンスになります。
その後、生産の効率化のために木版印刷のスタイルへと変化し、17〜18世紀頃のサファヴィー朝時代に爆発的に人気となり、イランを代表する伝統工芸品となりました。
19世紀のガージャール朝時代には、機械化や西洋文化の流入によりガラムカール文化も一時的に下火となりましたが、20世紀初頭のパフラヴィー朝時代にリバイバルしました。

現代でも愛されるガラムカール
ガラムカールは今もなお、イラン全土で見られる伝統工芸品です。単なる「歴史的な伝統工芸品」の枠を超え、日常の中で生きる工芸品として、多くの人々に愛され続けています。
テーブルクロスはもちろん、ベッドカバーやカーテン、衣類など、さまざまなアイテムとして愛用されています。
多彩なデザインもガラムカールの魅力
ガラムカールの特徴は、何と言ってもその鮮やかなデザインです。
モチーフとなるパターンも多彩で、たとえば、
・細かなパターンや曲線的なデザインが魅力的な唐草模様

・古くからペルシア文化の中で愛されるペイズリー

・大柄なボタニカルデザイン

・モスクのタイルアートからインスパイアされたデザイン

・キリムを彷彿とさせるトライバル柄

など、色とりどりのデザインが存在するのもガラムカールの魅力です。
ガラムカールの製造方法
では、これらのガラムカールは実際にどのように作られているのでしょうか。
イスファハーンの工房を見学させていただいた際の写真とともにご紹介します。

1. 木版を作る
ガラムカールで最も重要な要素であるデザイン。
プリント方法はいわゆる木版印刷の一種で、耐久性が高く加工しやすいナシやサンザシの木に、手彫りでデザインを彫っていきます。

工房には無数の木版が存在し、それらのパーツを組み合わせて完成するデザインはまさに無限大です。

2. 生地を作る
歴史的にはさまざまな生地が使われていましたが、現在は耐久性の高いコットン100%の生地が主流です。

生地自体は機械で織られ、その後、手作業で四方のフリンジが編まれて完成します。
デザインとマッチする風合いのフリンジが、ガラムカールの可愛さをより引き立てますね。

3. インクを作る
次はインク。染料の原料は、薔薇やサフラン、ターメリック、プラムやハーブなどといった天然素材から作られています。

4. プリントする
次の工程はプリント。ガラムカールの生産工程の花形とも言える部分です。
まずは動画をご覧ください。
このように、一色ずつ丁寧に木版を捺していき、色を重ね、見事なデザインを仕上げていきます。まさに職人技。

また、この製法ならではの“プリントのズレ感”も、ガラムカールのいい味を生む大きな要素のひとつです。
5. チャイを飲む
ガラムカールはイランで欠かせない文化のひとつですが、チャイ(紅茶)もイランの文化を語る上で欠かせない存在。
ということで、チャイを飲みながらほっと一息。

6. 煮る
チャイでリフレッシュしたら、次はプリントしたインクを定着させるため、大鍋でぐつぐつ煮ます。

このとき、ザクロの皮やアカネの実を混ぜることで、生地全体にもほんのりと色が入り、優しい風合いになります。
7. 洗浄・乾燥する
そして最後に、水につけて洗浄し、太陽の下で乾燥させて完成です。

このような伝統的な製法によって、今もなお職人の手で作られています。

ガラムカールのスマホケース
PERSIAN TAGではガラムカールのデザインを日常のさまざまな場面で楽しみたい、という想いから、現地のガラムカール工房と連携し、スマホケースをつくりました。

ハンドメイドならではのラフさを残しつつ、鮮やかなアートをいつも身近に感じられるシリーズとなっています。
◼︎ガラムカールのスマホケース
https://www.persiantag.shop/categories/5074017
最後に
ガラムカールをはじめ、イランの伝統工芸品は「過去の歴史の中で栄えた文化」ではなく、「歴史の中で生まれ、育ち、現代のイランにも生きている文化」です。
ぜひ、その魅力を当店のアイテムを通じて、身近に感じていただけますと幸いです。
